扇遊・扇辰 兄弟会「たっぷり!」
こんにちは入船亭の兄弟会に行ってきました。
【演目】
桃月庵ひしもち:転失気
入船亭扇遊:人形買い
入船亭扇辰:三方一両損
入船亭扇辰:田能久
入船亭扇遊:明烏
▪️転失気
知ったかぶりのお話です。
体調を崩した和尚様は、医者に「転失気はありますか?」と聞かれます。
とりあえず「ありません。」と答えるのですが、後で薬を取りに来るようにと言われてしまいます。
和尚様は、お寺の小僧に、薬を取りに行くついでに、それとな〜く医者に聞いてくるよう仕向けるのです。
道中で、転失気が「おなら」である事を知った小僧。
はは〜ん。和尚様は転失気がおならのことだと知らなかったのか。
でたらめを教え、和尚様に恥をかかせるといったお話です。
扇辰師匠の出囃子が流れたものの、しばらくして出てきたのは扇遊師匠。
こういうことはよくありますから〜とさらり。
自分の師匠であった扇橋師匠はとても優しい方だったけれど、怒ると全く口を聞いてもらえなくなってしまう。
競馬好きな師匠に頼まれて馬券を買い行かされた扇辰は間違った馬券を買ってしまって口聞いてもらえなかったことがありましたねぇ。...といったところから。
▪️人形買い
神道者に赤ちゃんが生まれ、長屋にちまきが配られたので長屋のみんなからのお返しとして人形を買いに行くことになった八つぁんと熊さん。
集めたお金よりも少し安い人形を買って残りでお酒を楽しもうと画策します。
なんとか値切って太閤秀吉と神功皇后の2体が候補となりますが、どちらがよいのか決めかねる。
そこで、易者と講釈師の意見を聞くことにしますが、人形屋の小僧からこの人形は去年の売れ残りで値切っても大した商品ではないと教えられ二人はがっかり。
しかも、神功皇后の人形が良いと決まったものの、易者と講釈師のそれぞれから銭を求められ、浮いたお金はなかったことに。
神道者に神功皇后の人形を届けに行くと、とても喜んでもらうのですが、これまた講釈を並べられ...わぁぁちょっと待った!講釈料はその人形から差っぴいてくださいまし〜
出囃子を間違えられてしまった扇辰師匠はなにやら気まずい感じで登場。
扇遊師匠に前座時代の失敗談を話されるなんてさ〜
▪️三方一両損
頑固者同士の喧嘩に決着が付かず、お白州の場に出て、大岡越前が出てくるお話です。
啖呵きって喧嘩が始まるところはとても勢いがあって楽しかったです。
あらすじの詳細は2017年11月17日の記事に載せているので割愛させていただいます。
仲入りをはさんで、再び扇辰師匠。
自分の出囃子を3回も聞くと変な感じ...
▪️田能久
阿波の田能村の久兵衛さんはおっかさんを大事にしている農民で大のお芝居好き。
ある時、遠出して興行へ出かけるのですが、おっかさんが急病であると言う知らせが届き、急ぎ家に帰ることに。
夜になると化物が出ると言われる山を越えようとした久兵衛は、峠越えで雨に降られ、木こり小屋にて雨宿りすると見知らぬ肌老人と出会います。
実はこの老人はウワバミという大蛇の化身で、人間を食べるのは久しぶりだと言う。
久兵衛は手持ちの芝居道具でウワバミをごまかし、自分がタヌキであると信じさせます。
互いの苦手なものを打ち明けることとなり、ウワバミは「煙草のけむりと柿渋」、久兵衛は「お金」と言うと老人は消えて行きました。
木こり小屋から転がるように降りて、無事に家に着いた久兵衛。
おっかさんも息子に会えて元気を取り戻します。
そして、決して他人に話してはならないというウワバミの弱点を村人に教え、退治することに成功します。
ところが、傷ついたウワバミが久兵衛の家にやってきて、久兵衛の苦手なお金を置いていくのです。
さすが、久兵衛さんは千両役者だ!
木こり小屋でおにぎりをほおばる久兵衛さんを見て、おにぎりが食べたくなりました。
トリは扇遊師匠です。今回は落語家のことをお話してくれました。
情報が発達していない時代、新しいお話は寄席で知ることができる。
口編に新と書いて噺家。口から出まかせは口偏に出と書いて咄家だそうです。
▪️明烏
本を読むのが大好きで、とにかく真面目な若旦那。
町内の遊び人である源兵衛と太助に誘われて、吉原で遊びのレッスンを受ける約束をします。
日頃から真面目過ぎた息子を心配する父は、意外にも吉原へ行くことを許すのです。
若旦那は、源兵衛と太助に「俺たちはお稲荷様で御籠もりをする。ご利益を受けるにはお賽銭も多めに。」と言われ、すっかり信じているのですが、吉原の中へ入ってようやく気づきます。
今すぐにでも帰りたいと駄々をこねる若旦那ですが、源兵衛と太助は3人で入ったのに1人で出て行ったら大門で止められるからと引き止めます。
朝になり、源兵衛と太助は、お相手に逃げられてしまったと文句を言いながら、若旦那の部屋へ。
ウブな若旦那は楽しい時間を過ごしたようでまだ帰りたくないな...と言います。
じゃわたしらは先に帰りますからね!に対し、「先に帰れるならどうぞ。大門で止められますよ。」
吉原のお話が、こんなにコミカルなものになるとはびっくりしました。
甘納豆が食べたくなりました〜
入船亭の落語は本当に楽しいよと教えていただいた友人に感謝です

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