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2017年1月 8日 (日)

お習字の講演会

今日は、東京都美術館で行われた清水透石先生の講演会に行ってきました

私はなかなか自身での創作ができないので、勉強になりました。
 
【本日のテーマ:古筆の美】  
○高野切第一種
 この集の書写の決まりは、詞書きは一段下げる/作者に関することは真ん中より下。
 ゆったり、のびのびと書かれていることが特徴。  
○高野切第二種
 一種と比べると字間が詰まっており、変化した字が見られる。とても勉強になる。
 線の流れが、右上から左下へ行く流れがある(当時の流行りの書体らしい)。
 京都にある平等院鳳凰堂の色紙書きの字体と良く似ていることから、
 現在では、源兼行が書いたと言われている。
○高野切第三種
 初心者にはとても良い作品。
 ただし、同じ字を何度も使う傾向があるため、長く勉強するべきではない。
○関戸本古今集
 高野切と比べると、かなり自由に書かれている。
 連綿線が長く、字の右側が「広く・大きく・強い」ため、懐の大きな字になっている。
    (筆管を手前に倒し、やや右に傾ける執筆から自然と生まれる)
 
○伊藤鳳雲先生の作品
 用紙に、どのような文字をどのような大きさで配置するかが考えられている。
 大きな字を書く時は、字間を開ける。隣の字とのバランスが大切。
 横の流れが多く入る字の隣は、縦の流れを持つ文字を使う。
○今関脩竹先生の作品
 「一本の線で、自分の想う線を描く」を生涯追求していた。
 高い紙を使わず再生紙を使用し、裏面で擦れを出す工夫をしていた。
 封筒などは開封後、L字切りし、青字で書き・赤字で修正して作品書きしていた。
 
○その他注意点
 ・収録されている図版とは、異なる説明書きがされていることが多々あるが、
 特に万葉集を扱った本にはそれが多い。よく見て勉強しましょう。
 ・漢字と仮名の調和に関しては、少し崩してあるくらいの方が美しい。
 ・書く内容を連想させるような字の流れを組み込むことも大切。
    (例えば雨の和歌であれば、雨を連想させる雫に似た線の使い方)
 ・作品に使用する字の形は、必ずしも元の字の通りではなく、
 「文字の大きさ・流れ・書体・墨色」を考えて使う。

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