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2007年6月22日 (金)

夏がやってきます その3

小康状態が続いていたとはいえ、ダイヤの容態はいつ急変してもおかしくはありませんでした。先生たちは、このまま最後まで面倒を見るのか…それとも自力で動けるうちに別の方法を取るのか…ダイヤにとって、どちらを選択する事がいいのかを決めなければなりませんでした。

私が帰って2、3日経ったある日のこと。先生がいつものように様子を見に来た時、ダイヤは自分の顔を先生の胸に押し当てたそうです。普段は決してそんな態度を取る事のないダイヤ…。先生は、彼が何を望んでいるのかすぐに感じ取れたと言います。

翌日、1台の馬運車がダイヤを迎えに来ました。ダイヤは、見知らぬ人に誘導されても抵抗することなく、この馬運車に乗り込みました。本当は、先生たちも着いて行きたかったのですが、この日はすでに沢山のお客さんで予約がいっぱいで、一緒に行く事が出来ませんでした。ダイヤはたったひとり、みんなの前から去って行きました。

先生たちは仕事を終えて家に帰った後、ダイヤの処置が無事に済んだという連絡を受けました。そして、ひとつの疑問が解けたといいます。ダイヤがクラブから出て数時間後、先生の腕時計は、ひびが入っている状態で壊れていました。その腕時計の止まっている時間は、ダイヤが息を引き取った時間からさほど離れていなかったそうです。

ダイヤが亡くなった後、彼の事を思い出してしまうからとしばらく乗馬から遠ざかった人や、突然の病でダイヤのところへ行ってしまった人がいました。私も、がらんとしている馬房を見るのはとても寂しかったのですが、先生たちや他の馬達と一緒に、もう少し頑張る事にしました。特に、放牧に出るとダイヤの後をついて歩いていたありさの成長ぶりは、私にとっていい刺激になりました。

そして、翌年、2000年の春、嬉しいニュースが入ってきました。ダイヤの馬房に新しい馬が入る事になったのです。ダイヤはおじいさん馬でしたが、新しい馬は若くて大柄な馬でした。そして、これが私にとって良いパートナーとなる馬…ラックとの出会いとなりました。

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